元祖 オタク
2023. 3. 2
今、ある古典が元祖オタクの活動記(?)として注目を浴びているってご存知ですか?
その古典は
『更級日記』(さらしなにっき)
です。
作者は菅原孝標女(すがわらの たかすえの むすめ)。
読んで字のごとく、菅原孝標と言う貴族の息女。
え?本名は??
となるところですが、本名は不明です・・・。
平安時代の女性の本名は不明の人が多いんですよね~。
ほとんどの人が役職や住んでる場所、兄弟の順番?で呼ばれてたらしく、
本名で呼ばれることはほぼ無かったんやって。
だからこの作者も貴族 菅原孝標のむすめ(女)と呼ばれていたんです~。
そもそも本名はごく近しい身内以外に教えなかったそうです。
本名知られる=生命を握られるって思想もあったとかで余計に( *゚艸゚)ナイショ
悪魔に本名知られたら云々。。。って西洋でもあるよね?世界共通なんかな、コレ。
と言う事で彼女の本名は現在までも不明のままです。多分、永遠に不明でもおかしくないネ。。。
あ、この名前の風習は平安時代では普通で女性だから!男性だから!!ではないですヨ!
ただ、男性の方が役職に就いている人が多く、
その際に本名が記録されていたから分かってる人が多いだけです。
むしろ入婿が普通の時代なので平安時代の女性はまぁまぁ権力あったかと笑
さてさて、彼女の自叙伝的な内容が書かれた『更級日記』。
日記、とありますが日々書いていたわけではなく晩年に執筆したものになります。
で、どこが元祖オタクかと言いますと・・・
彼女はとにかく【物語】が大好きな少女でした。
言わば物語ヲタ。文学少女。
どんくらい好きかと言うと
自分と同じ丈の仏像彫ってもらって【物語を読ませてくれーーーー】と願掛けするくらい( *ノ_ _)ノノ ╮*_ _)╮
元々の育ちは千葉の超ド田舎(自分で言ってる)で、お父さんの任期終了に伴い13歳の時に上洛。
都に行けば物語が読めると大はしゃぎ。
ただ、上洛に要した時間は3ヶ月(長ッ)
彼女はこの時の初めて見た景色や心情も綴っています。
都に来てついに憧れの物語【源氏物語】の一部分だけ読むチャンスを得た彼女。
当時は今みたいに本屋で本を買って読む、電子書籍で読むなんて事は出来ません。
どうやって読んでたのか?口コミと写本の貸し借りです笑
色んな人の手を介して自分のところに回ってくるのを待つしかない・・・
なので続きを読みたくても田舎から出てきた少女にその伝手があるハズもなく、
読みたい思いだけが募り、ついに神頼みを始めます笑
いみじく心もとなく、ゆかしくおぼゆるままに、
「この源氏の物語、一の巻よりしてみな見せたまへ」と心のうちにいのる
親が太秦のお寺に行く時について行って、「源氏物語全巻読ませてくれ」と一心に祈った、と書いてます。
神頼みが功を奏したのか、最終的に源氏物語全巻Getするんですけど、
その心情たるやまさに尊死 尊っ( °ཫ° )ゴフッ
源氏物語に憧れる2次元オタクが爆誕です。
この読みたい気持ち、読むために起こす行動がぶっ飛んでて面白いです。
源氏物語を手にした彼女はこの後、まさに沼にはまっていくんですよね~。
物語のキラキラ世界への憧れがから
宮中で働いてみたり、
光源氏みたいな男性を探したり、
もう立派な2次元推しです。
でも現実は中々キラキラしてなくて。。。
最終的に目が覚めて物語に比べて自分の人生は何て平凡なんやっ!と嘆いて日記は終わります。
孝標女よ、あなたに言いたい。
一度きりの人生で推しに出会えたなら、それはオタクの本望
推しがいてこその人生
古文て聞くと中々とっつきにくいですが現代語訳もありますし、
機会があれば是非一度読んで見て下さい。共感しちゃうかもですよ?
私は伊勢物語も結構好きなんですよね~。
男女のいざこざ的なものが結構載ってて週刊誌感覚です笑
高校のときに習って「ヤバイ、めっちゃ面白いやん」と思って好きになりました。
伊勢物語の部分だけテストの点数めっちゃ良くて友達が呆れてた・・・
でも現代語訳ありき、なので未だに原文ではサッパリでーす!
ちなみに高校で習った伊勢物語は『筒井筒』です。ぜひっ!!!!